『防水工事』と聞いてもどんな内容かピンと来る人はおそらくいないでしょう。
私も実際に防水職人になるまで防水工事というものがどんな仕事内容かわかりませんでしたから。
また、防水工事というのは非常に多岐にわたる内容が多いので一『これが防水だ!』というのもあれば『これも防水!?』みたいなものもあります。
ここでは私が主に日頃行なっている古くなった建物に行う改修防水工事を解説していきます。
屋上防水工事
防水屋の一番メインとなる工事ですね。
防水工事というのは主にビルやマンションなどの平らな屋上に行うことがほとんど。
屋上というのはきちんと防水処理がされているので建物の内部が雨水から守られています。
屋上防水がされていなければ建物は雨漏りしてしまうのです。
そしてその防水は定期的にやり替えてあげないといけません。
そうでないと徐々に防水も劣化していくので、防水が切れて水が入ったりして雨漏りにつながるのです。
防水工事を行うタイミングは、基本的に10年ごとと考えて良いでしょう。
ただもちろん雨漏りしているのでそれを止めるための工事もあります。
屋上防水工事の種類としては
- ウレタン防水
- 塩ビシート防水
- ゴムシート防水
- アスファルト防水
この4つがメインとなってきます。
屋上の下地との相性やパイプや配管などの役物の有無で行う防水工事の種類を決めます。
役物・・・屋上においての役物とは、パイプや配管、その他屋上防水をやる上で邪魔なもの、複雑なものを指します。
余談ですが、私は屋上防水工事が一番好きです。
当然ですが屋上って景色がめちゃくちゃよくって開放感がすごいですよ。
まあ、夏は危険な暑さですけど。
ベランダ防水工事
実はマンションなどのベランダも防水工事が必要です。
ベランダも防水屋にとって屋上の次にメインとも言える工事でしょう。
ベランダ防水工事は大規模改修工事などの足場を設置した時に行うことがほとんど。
いちいち居住者に断って部屋の中を通ってベランダ防水工事をやるのは時間的にも費用的にも現実的ではありませんからね。
足場を設置して外から飛び込んで防水工事をしていきます。
ベランダ防水の改修工事で行われるほとんどがウレタン防水工事と考えて良いでしょう。
ウレタン防水はウレタンというとろみのある液体のようなものを塗って乾かして固めて防水材となるので複雑な場所でも施工ができるので、ベランダのような屋上に比べて狭い場所に最適。
他にはシートとウレタンの複合防水も最近では増えてきています。
周りの複雑なところだけウレタンで施工して、真ん中の平らなところには長尺シートを貼るという工法ですね。
長尺シートは意匠性が高く、デザインも豊富な種類から選べるので非常に近年は人気の高い防水となっています。
廊下・階段防水工事
マンションなどの廊下や階段も実は防水工事が必要です。
まあ基本的に雨が当たるところは防水が必要です。
廊下や階段はほとんどがウレタンと長尺シートの複合防水です。
側溝巾木と呼ばれるいわゆる廊下の周りのや水が流れる部分などにはウレタン防水を施して、平らな部分や階段には長尺シートを貼り付けます。
階段には階段専用の長尺シートが存在します。
これは古くなった建物に施工すると一気に見栄えが変わるので非常に喜ばれる防水工事となっております。
外壁シーリング防水工事
コーキングとも呼んだりしますね。
サッシの枠やタイルの目地などにはシールと呼ばれるゴムのようなものが打ってあります。
古いものを撤去して、新しいものに打ち替えます。
この撤去という作業が非常に手が疲れます。
カッターを使ってシールの両脇を切っていき、プライヤーなどでつまんで引っ張ります。
この古いシールが硬いと非常に手が疲れますし、力を入れてカッターを扱うので非常に危険です。
素人の方は危険ですので絶対に自分では行わないでください。
まとめ
防水工事はこれだけでは語りつくせないぐらい奥が深いですが、ざっとメインはこんな感じです。
建物に平らな部分があって、そこが雨が当たる場所であれば防水工事は必要です。
一軒家のような勾配がかなりついている三角屋根はそこまで防水を重要視しません。
なぜなら水が溜まらないから。
水は切れれば雨漏りはしません。
屋上のような平らな部分だとどんなに勾配をつけても所詮限度があります。
しかし定期的に防水工事をすれば問題ありません。
防水工事はそこそこな値段がしますが、これをケチってやらないと雨漏りして建物内部の壁紙を濡らしたり、コンクリート内部の鉄筋を錆びさせたりと後で非常に高くつきます。
定期的な防水工事は長い目で見て安いのです。
ビルやマンションのオーナーさんは建物を長く保つためにもケチらずに防水工事は行いましょう。